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【海外ポスドクよもやま話】ポスドクはつらいよ?〜海外の教授にOutstandingと言われるまで〜

 皆さんおはようございます。2019年現在、オックスフォード大学でポスドクをやっている伊予柑です。時間が経つのは早いもので、イギリスに留学して1年と8ヶ月が過ぎました。今日は僕の浅い経験ではありますが、海外のポスドク事情についてあれこれ紹介してみようと思います。

 

 

研究留学のすゝめ! 〜渡航前の準備から留学後のキャリアまで

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所属する研究室について

 

僕はイギリスに来る以前、英語が本当に話せなかった。

センター試験英語99点リスニング0点、TOEIC受けたことがない。英語は高校受験で勉強した以来やってなかった。

 

海外の学会に参加するが英語が満足に話せないので殆ど相手にされない。

幸運なことに今所属している研究室で少し前に研究員をしていた方が学会にいて、日本の研究室と自分の状況を説明したら、化学はしっかりしているだろうからとオックスフォードの教授にその場で推薦して頂いた。感謝してもしきれない。

 

そんなこんなでオックスフォード大学に来ることになったが、僕の教授はとても優しかった。あんまり英語が喋れないのに、研究も1年以上成果がないもんだから「あぁこいつはダメだな」と、いつ諦められるか内心いつもヒヤヒヤしていたが全くそんなことはなく相手してくれた。相手といっても大抵は週一であるミーティングの時に"Good"とか"Nice"とか"Yes please"とか言われるぐらいだけど笑。

 

 

研究テーマについて

僕の研究テーマは前任者が3人いて、前任者はそれぞれタイムリミットだったりテーマがク◯だから変えてくれと言って、ハッキリ言って全然上手くいってないプロジェクトをやることになった。

研究室に来たとき、教授とプロジェクトの話をしたが、教授は上手くいっていないという事は全く言わないで、とても良いテーマなんだ!先ずは前任者に詳しく聞いて、と言っていた。

思わせぶりに"Do you like this project?"と聞かれたので、始めてもないのに好きも嫌いもないだろうと思いつつ"Yes, I'll do my best"と答えておいた。

 

そして直前に担当していた前任者に研究の話しを聞きに行く。

 

前任者からミーティングで使用したスライドを使ってひたすらネガデータのやっつけな説明をされて、何故か全部ではなく一部抽出のミーティング資料と、はいコレ実験ノート、と言って殆ど字が読めない、あるいはまともに書いていないどうやらネガデータらしい6冊分(二人分)の実験ノートを渡された。おまけに前任者の前任者の前任者の実験ノートはどこにあるのか知らないという(なんだそりゃ)。

 

 

前任者はかなりこのプロジェクトを嫌っていた。

 

前任者に研究の相談をすると毎回そんなク◯なテーマさっさと変えてもらいなよ、教授がどうしてそのテーマに拘るのか理解できない、と最後はお決まりの文句でディスカッションが終了していた。

 

今なら分かるけどプロジェクトが難航している事と前任者がテーマがク◯だからと言って変えてもらったという経緯があっての教授の"Do you like?"だったのだろう。

 

しかし僕はこのテーマをやるべきだと考えた。

 

何故なら英語が上手に喋れないので、研究の展開や研究設備の利用に関してイギリス人、ヨーロッパ人と比べて劣る。上手くいっているテーマでスピード勝負しろと言われても無理だなと考えたからだ(実際にオックスフォード大学の大学院生の実験スピード、スクリーニングのセンス、集中力のどれをとっても僕を超えていると感じる)。難しいテーマだったら進捗がゆっくりでも。。。ねぇ?

 

そんな研究テーマだから教授に良い案ないか?と尋ねても"I don't know"と言われたり、最初の1年目はまーったく何も進まなかった。どーすんだよコレって感じ。

 

9ヶ月が過ぎた頃、もう最初に検討していた反応はやりにやり尽くして、少量だけ目的物が出来ているっていう事は掴んだけれど先がなく行き詰っていた時、研究室の天才博士課程の学生に「コレどー思う?」と研究の相談をしたら「その検討は希望がないから別のルートを考えるべき」とバッサリ。

 

”少量できる”って事は反応条件を変えたらもしや。。。という事を考えると中々、コレまでの検討を捨てて1からルートを練り直すというのは踏ん切りが付かないものだけど、天才学生がはっきりと「ルートを変えるべし」というもんだから1から考えることにした。その天才学生も少しだけ一緒に新しいルートを考えてくれたんだけど、結局良い案が出るにはいたらず「難しいね」と言ってディスカッションを終えた。

 

1年目が終わって一時帰国、新しく考えたルートがコレならいけるかも、という段階にはあった。

 

新しいビザを取得して、イギリスに戻ってコレならいけるかものルートがおじゃんになるまでにはそう時間はかからなかった(結局ダメだったんかい笑)。この時、留学して1年3ヶ月。

 

それからまた新しいルートを考えて試して見たら、なんと上手く言った。

 

最初とその次に検討していたのは鍵反応に2013年の論文の手法を取り入れた簡便な(はずの)ルートだったが、全くダメだった。

 

結局、上手く言ったのは1993年に報告された20年以上前の手法に日本の先生がまとめた日本語の総説の反応を参考に僕がミックスしたオリジナルな手法だった。

 

モデルで上手く言ったのが1年と5ヶ月が過ぎた頃。

 

1年7ヶ月には本基質の合成ルートが最適化出来て、1年8ヶ月たった今、実験データが完全に正しいということがX線結晶構造解析で確認された。

 

 

"Outstanding!!!"

 

このX線のデータを教授に見せたとき教授がそう言った。

 

先週、教授が立ち話でそろそろ論文にまとめないかという話しをされたので、今週は論文の方向性について教授と議論する予定。

 

 

海外の教授から"Outstanding"と言われるのは本当に嬉しい。

 

 

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